Engineering Management Conference Japan 2026
セッション(40分)

スーパーマンに頼らない"分権型組織"で作る強い開発チーム

shohei1913 三谷昌平 shohei1913
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人が増えただけでは組織の生産性は最大化できない。
私が所属する会社では、事業拡大に向けて採用を強化し、開発チームの人数は2倍に増えました。並列で施策を回せるようになった一方、人が増えることによる新たな問題に直面し、「アウトプットは増えたけど、その分コストも増大しスピード感に欠ける」という現象が起きました。

人が増えることによる問題には様々あります。
たとえば、「昔はみんな知っていた」暗黙知的な運用ノウハウが通用しなくなって予防できたはずの障害が起きたり、「きっと他の人がやってくれるはず」とお見合い状態が続くことで問題が大きくなる前に対処できなかったり、少人数で始めたMTGに全員が参加し続けることでMTGコストが跳ね上がったり——。人の増加に組織が追いつかないことで、生産性が思ったよりも上がらない状況に陥っていました。

この課題を解決するために、私たちは“委員会制度”という分権型の組織運営モデルにチャレンジしました。
品質向上・AI活用・チーム連携・技術広報といった特定テーマごとに、3〜5人で構成される小さな委員会を設け、委員長に大きな裁量と責任を委譲しました。責任範囲と権限をしっかり決めることにより、スピード感を持って問題解決を図れる体制にシフトチェンジしました。

このトークでは、この1年間の取り組みで得られた分権型の組織運営の学びを共有します。

トークの流れ

  • 人が増えたことで起きた課題
  • EM陣で考案した「委員会制度」の設計と狙い
  • 制度をうまく機能させるための仕掛け
  • 精度の導入後に得られた成果
    • 自発的な達成文化の定着
    • 次世代リーダー人材の育成
  • 学びと今後の展望

Learning Outcome

  • スーパーマンからの脱却方法
    • スタートアップ初期にありがちな「なんでも屋」依存から抜け出し、全員が成果にコミットするチームを作る実践的なステップ
  • 次世代リーダーの育成方法
    • 主体性や責任感が強くリーダーシップを持った人材を育成するための環境の整備方法
  • 権限委譲の進め方
    • 委譲された人が迷わず意思決定でき、かつ必要なときに相談をもらえるように設計した仕組みとプロセス
  • 機能開発と保守運用の両立方法
    • 責任の所在を明確にしスピードと安定性を両立させるための分権型チーム運営の実例