Engineering Management Conference Japan 2026
セッション(20分)

HRマネージャーからEMへのシフトと、組織に根付かせるまでの取り組み

ueokande 上岡 真也 ueokande
1

サイボウズの開発組織は長らく「職能軸 × プロダクト軸」のマトリクス型体制を採用していました。ソフトウェアエンジニア、QA、デザイン、プロダクトマネージャーなどの専門職能ごとに組織が構成しており、各部門のマネージャーは職能組織の運営や人材育成を中心に責任を持ちます。この構造は社員の専門性を伸ばしやすい一方で、部門マネージャーの製品開発への関与は部分的になりやすいという側面を抱えていました。

その結果、開発現場では次第に構造的な課題が表面化しました。

  • エンジニアチームによる成果物に対する責任主体が曖昧になる
  • 不確実性の高い物事を進めるうえで、マネージャーとしての権限が製品開発に十分発揮されない
  • 技術的な意思決定を含め、判断がプロダクトマネージャーに集中する

私たちはより事業インパクトの大きな活動を増やすために、これらの課題を組織的に解決する試みを始めました。組織構造とマネージャーの役割を見直し、チームとその成果物に責任を持つエンジニアリングマネージャー(EM)を任命しました。 エンジニアチームは自分たちの成果物にオーナーシップを持ち、EMはチームの成果最大化に責任を持ちます。

これまでのマネージャーはピープルマネジメントだけではなく、プロセスマネジメント、技術マネジメント、プロダクトマネジメントなどの役割を担い、チームの事業貢献を大きくしました。エンジニアチームは事業インパクトの大きな取り組みに挑戦できる機会が増え、魅力的な機能アップデートが増えました。

本セッションでは、サイボウズがどのようにしてEMという役割を組織に根付かせ、その変化が組織にもたらした成果について、実践とストーリーを交えて紹介します。

Learning Outcome

対象となる聴衆

  • エンジニアリングマネージャー(EM)や開発組織のマネージャー
  • 開発組織の組織づくりに携わっている人

得られるもの

  • EM体制を立ち上げ、根付かせるプロセスのユースケース
  • サイボウズのEMの役割