武藤 雅裕
mmuto118
50歳で某企業のPrinciple EnginnerからAIスタートアップへ入社。Engineering Managerとして入社し、EMとしてプロジェクトを任された私は、数々の“失敗”から多くの学びを得ました。最初の失敗は、チームとゴールを共有できていなかったこと。皆が違う山を登っていたのです。学んだのは「ゴールは頂上の景色を一緒に描くこと」。どんな小さなタスクも、どの山に登っているのかを意識させることで、チームは自走し始めました。
次の失敗は、メンバーに裁量を与えると言いながら、自分で実装してしまうこと。学んだのは「信頼」です。EMは“why”と“what”を示し、“how”は開発者に任せる。その方が彼らの創造力が活き、成果も大きくなりました。
三つ目の失敗は、経営視点の欠如。技術リーダーとしては優れていても、経営と現場をつなぐ視点が欠けていたのです。そこで「もし自分が経営者ならEMに何を期待するか」を考え、経営書を読み漁りました。少しずつ、“技術のための技術”から“事業のための技術”へと視座が上がりました。
四つ目は、採用。スキル重視で面接していた私は、チームが機能しない原因を作っていました。大切なのは「一緒に働いて気持ちが良いか」「目標を語れるか」。その軸に変えた瞬間、チームが変わりました。
そして最後の失敗は、経営陣に技術提案できなかったこと。AIで社会実装を進めたいという思いがありながら、遠慮していたのです。学んだのは「勇気を出して提案することもEMの役割であり、自分の強み」ということ。
失敗の連続でしたが、今は胸を張って言えます。「登る山を共有し、信頼し、経営を意識し、仲間を選び、そして技術で経営を動かす」——この5つが、スタートアップで戦うEMの礎です。