Engineering Management Conference Japan 2026
セッション(20分)

「人間はコードを書かなくなる」その前に──EMが育てる未来のエンジニア像

kj_matsuda Koji Matsuda kj_matsuda

「2027年、人間はコードを書かなくなる」
AI駆動開発を扱ったカンファレンスでそう語られたとき、私がまず考えたのは“技術”よりも“人”のほうでした。

当社の25名の開発組織は、PMが切ったタスクを着実にこなす文化が長く続いていました。
その中にいる若いエンジニアたちが、この先のキャリアをどう築いていくのか。

このままAIを用いた開発が進化を続けると、ただコードを書く仕事は近い将来淘汰されるでしょう。
日々の1on1の中でも、”これから”のエンジニアたちが次々に不安を口にしました。

でも、ソフトウェアを本当に理解し、設計し、判断し、価値を生み出す人は消えません。

だからこそ、この時代に必要なのは“タスクをこなす人”ではなく、
「コンピュータ・サイエンスの基礎を理解し、設計思考ができ、経営・PdMの視点で問題を捉えられるエンジニア」だと確信しました。

AIによる開発を導入すると、使う人によって出力の質が違うことにすぐ気づきます。
みんなに同じツールを導入していても、です。

それは脅威ではなく、むしろ学び直しのチャンスでした。

私たちはスクラムやシャッフルランチ・レクリエーションで育ててきた人間的な文化を大切にしながら、基礎技術の学び直し・経営視点のインプット・顧客視点での議論など、
“AI時代のエンジニアに必要な土台”を育てる取り組みを始めました。

本セッションでは、「エンジニアがコードを書かなくなるかもしれない世界」で、エンジニアは何を学び、どう価値を生み続けるべきか。
そして、私がEMとして組織にどんな文化と教育の基盤を作ろうとしているのかを、実践と葛藤を含めてお伝えします。

【対象の聴衆】

  • AI活用が進む中で、エンジニアの成長や育成の軸が揺らいでいると感じているEM、マネージャー、リーダーの方
  • 「タスクをこなすだけの開発文化」から脱却したい方
  • 組織の基礎力(CS・設計力・視座)をどう育てるか悩んでいる方

【得られるもの】

  • “AI時代のエンジニアの消える価値 / 残る価値” を見極める視点
  • AI導入で明らかになる“エンジニアの基礎力の差”をどう扱うか
  • “タスク駆動文化”から“考えるエンジニア文化”への移行方法
  • EMとして、未来のエンジニア像を描き、育てるための具体的なアクション