今本 光
imamotohikaru
概要
SRE課は横断組織として、クラウドネイティブ化やDevOpsを推進したいと考えていました。しかし当初は、社内でスピード改善へのニーズが十分に高まっておらず、価値を発揮する“場”をつくりにくい状況でした。
転機となったのは、会社全体がスピードアップを最重要テーマに掲げた方針転換と、オンプレミスでKubernetesを本格活用できる基盤が成熟したことです。この追い風を受け、SRE課は各プロダクトへの丁寧な課題ヒアリングを進め、Embedded SREとして参画するための“入口づくり”に踏み出しました。
象徴的だったのが、あるプロダクトのコンテナ化プロジェクトでSRE課がPMロールを担った取り組みです。計画づくりから実装まで伴走した結果、リリース速度の向上やインフラ運用負荷(=トイル)の削減を実現し、「横断でもここまで直接貢献できる」という強い手応えを得ました。この成功は信頼貯金として蓄積され、相談が連鎖的に増える好循環につながりました。
本発表では、この経験をもとに
・信頼を積み上げるふるまい
・課題ヒアリングの“型”
・Embedded SREの入口設計
といった再現可能なプロセスを共有します。横断組織が変化の触媒となり、価値を増幅させるための実践知をお持ち帰りいただければ幸いです。
Learning Outcomes
■対象の聴衆
・新任EM
・横断組織リーダー
・Embedded支援を広げたい開発組織のリード層
■得られるもの
・横断組織が“依頼待ち”から“共創”へ切り替わるプロセスを説明できる(ヒアリングの型と期待調整のポイント)
・Embedded SREを始める際の入口を設計できる(課題抽出→提案→参画の流れ)
・信頼貯金を増やす振る舞いを再現できる(誠意・学習・結果へのこだわり)
・横断組織がプロダクト成果に直結するための技術×組織バランスを判断できる