Engineering Management Conference Japan 2026
セッション(40分)

共鳴をデザインするところから始める組織設計

mao_instantlife 阿部信介 mao_instantlife
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ALGO ARTISでは、2025年の中期計画を契機に、職能別の体制からインダストリーごとに価値探索を行う体制へと再編を進めました。
創業以降、受託というスタイルで多様な案件を経験してきた中で、インダストリー単位での知識蓄積とプロダクト化を中心とする価値創出が組織の成長に不可欠だと判断したためです。
しかし、この再編はメンバーの考え方そのものの変化を要求する部分もあります。体制を変えるだけでは人は動きません。私はこの再編の初期フェーズで、「制度を整える」よりも「コンセプトへの共鳴をデザインする」ことに注力しました。
中期計画のコンセプトを全員が自分の言葉で語れるよう、リード層キックオフや1on1を通じて理解と納得を醸成。
そのうえで、横断支援チームに実務・制度・採用などの整備を集約して段階的にカバーすることで、インダストリー戦略への取り組みに集中しつつ新体制を安定的にスタートできるようにしました。
本セッションでは、制度設計を“後から追いつかせる”というアプローチで、
変化の初動を支えた「共鳴構造のデザイン」と「触媒としての関わり方」を具体的に紹介します。
共鳴から始め、制度へと進化させる──組織の成熟を見据えたデザインの実践です。

■Learning Outcome(得られるもの)

  • 制度設計を前提としない「変化の初動」のつくり方
    • 組織再編を、最低限の体制を前提として理解と共感から始めるための設計思考を学ぶ。
  • 共鳴を生む構造のデザインと、触媒型リーダーシップの実践
    • 個々の意志を引き出し、チームを横断的に結びつける関わり方を理解する。
  • 共鳴から制度へ──組織の成長フェーズをつなぐ視点
    • 初期の柔軟性を保ちながら、後から制度を整備し強い組織に育てる方法を考える。

■Learning Outcome(対象者)

  • 組織変革・体制変更を検討中の経営層・マネージャー
  • トップダウン以外の変化推進を模索するPdM・EM・VPoE
  • 制度整備だけでなく、文化・関係性・共鳴を軸に組織を成長させたい実践者

■キーワード
共鳴構造 / 組織再編 / 横断支援 / 触媒型リーダーシップ / 制度設計 / 中期計画 / エンジニアリング組織の成熟