期待の渦に溺れそうだった私が、“やらないこと”を決めてマネジメントを立て直した話 by 馬場彩子

Engineering Management Conference Japan 2026
セッション(20分)

期待の渦に溺れそうだった私が、“やらないこと”を決めてマネジメントを立て直した話

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マネージャーになると、チーム内よりむしろ“チーム外”からの期待と要求が急激に増えます。私自身、事業側や他部門のプロフェッショナルと対話しながらチームをつなげる役割を担うようになり、その領域の知識も経験も足りない自分に焦り、肩に力を入れて働いていました。
わからない、通じない、意図が読めない──そんな場面が増えるほど自信は揺れ、手も動かなくなる。完全に詰んだ状態でした。

そこで私は「一般的には重要と言われるコミットメント」をあえて手放し、“やらないこと”を決めました。
土日作業を前提にしない。全部を自責にしない。危機感で動かさない。
その代わりに、周囲に頼り、情報を共有し、未来の楽しさを糧にするスタイルへ転換したことで、チームも私自身も前に進めるようになりました。

同じように、いましんどさを抱えているマネージャーの方に、少しでも心の余裕が戻るヒントになれば幸いです。

Learning Outcomes(聞き手が得られること)

  • 「外からの期待」に押しつぶされそうなときに、何を捨てればよいかがわかる
    自責や過剰コミットが“毒”に転じる境界を理解し、自分の限界を守る判断軸を持てる。

  • マネージャーが“頼ること”を戦略的に使う意味が理解できる
    専門外の領域とどうつなぐか、優秀な周囲の知見をどう活かすかの具体的なイメージが持てる。

  • チームの力を引き出すのは、気合いではなく構造であると実感できる
    力みや恐れではなく、「楽しい未来」を軸に行動することで、チームの動きが変わる理由を体験談として学べる。

  • “やらないことリスト”がマネージャーの健全なパフォーマンスを取り戻すことを理解できる
    他のマネージャーにも応用できる「手放すスキル」のヒントを持ち帰れる。