Engineering Management Conference Japan 2026
セッション(20分)

50人と1on1してわかった、EMが越境して組織を変える技術

udon_tempura 佐崎 悠 udon_tempura
5

概要

2025年初頭、私の所属する会社では個々人がGitHub Copilotを活用し開発生産性を向上させていましたが、次フェーズとして組織的な活用への進化が必要であり、多くの企業と同様に個人の活用から組織の取り組みへの変革ギャップに直面していました。
私は開発組織のEMとして、この変革の機会を捉え、AI推進の旗振り役を自ら買って出て、EMの枠を戦略的に拡張しながら次世代の組織づくりに挑みました。

最初の3ヶ月は想定外の展開でした。ガイドラインを作り、ツールを導入して全社に告知しても、反応は薄く「のれんに腕押し」状態。
そこで戦略を180度転換し、エンジニア50名全員と1on1を実施し、その場で一緒にAIを使い、個々の業務で「小さな成功体験」を作るという泥臭い作戦に切り替えました。

同時に、セキュリティルール策定から社内勉強会の主催、ビジネスサイドへの展開まで、EMとして新たな価値を創出するため動き回りました。
専門外の領域では関係者と連携しながら学習し、試行錯誤を重ね、「あの人がそこまでやるなら」という信頼と共感を醸成していきました。

1年後の今、全社員が日常的にAIを活用し、「AIと働くのが当たり前」という文化が根付きつつあります。組織は確実に変わり、さらに進化を続けています。
本セッションでは、制度では人が動かず、熱狂と実利だけが組織を変えるという学びを、失敗談を交えてお話しします。
EMが「触媒」として機能し、個人の熱を組織全体に増幅させる具体的な方法論をお伝えします。


Learning Outcome

対象の聴衆

  • 自社で生成AIや新しい技術の導入を任されているEMやテックリードの方
  • 小さな組織で、AI推進を実質一人で担っている、もしくはこれから担いそうな方
  • メンバーの温度差に悩むリーダー

得られるもの

  • 「推進疲れ」から「推進熱狂」へ。孤独な推進担当が味方を増やしていく実践知
  • EMの影響力を3倍にする"越境"の技術