Engineering Management Conference Japan 2026
セッション(40分)

エンジニア組織の拡大に制度はどこまで耐えられるのか

arara_jp 荒井 勇輔 arara_jp
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概要

私が所属するGENDAでは、4年前にテック組織を立ち上げ、そのタイミングでエンジニア向けの等級制度(グレード)を策定し、運用を始めました。
当時は4名でのスタートでしたが、事業の成長に伴い採用を進め、現在は80名を超えるエンジニア組織へと拡大しています。扱うプロダクトや求められる役割も増え、
立ち上げ当初とは前提が大きく変わりました。
その中で、初期に整備した等級制度が徐々に実態と合わなくなり、評価や採用の判断にも影響が出てくる兆しがありました。
本来であれば制度を基準にスピード感を持って意思決定すべきところが、制度そのものが足を引っ張り、判断が遅くなることが懸念される状況でした。
そこで私はVPoE として制度の見直しを担当し、最終的には等級制度を廃止して、職位ごとに役割と期待値を定義する方式へ切り替えました。
あわせてキャリアラダーも再構築し、マネジメント以外の成長ルートも明確にしました。これにより、役割や専門性が増える状況でも制度の見直しを継続的に行いやすい形へと変えています。
一方で、制度を刷新したことで、制度の浸透や基準の捉え方にばらつきが生まれるなど、新たな課題も見えてきています。

本セッションでは、私の実体験をもとに以下をお伝えします。

  • 組織立ち上げ期に制度をどのように作っていたか
  • 組織が大きくなる中でどのような問題の兆候を感じたか
  • どんな考え方で制度を作り直したのか
  • 制度を刷新したことで見えてきた課題

成長を続けるエンジニア組織が制度にどのように向き合うかを共有することで、制度設計に関わる方やキャリアの土台づくりに携わる方々の参考になればと思います。

Learning Outcome

対象となる聴衆

  • 制度設計をするCTO/VPoE/人事
  • キャリアを考えるマネージャー
  • 組織の制度がどのような背景で作られるか興味があるエンジニアの方々

得られるもの

  • 等級制度が組織の変化に対してどこで限界を迎えるかの事例
  • 職位定義ベースの制度へ移行する際の考え方
  • エンジニアのキャリアラダーを再構築する際の視点
  • 制度刷新後に発生しやすい課題例