「よしなりてぃ」で終わらない「仕組み化ビリティ」の高いマネージャーへの変遷と引継ぎの実践 by パウリ

Engineering Management Conference Japan 2026
セッション(40分)

「よしなりてぃ」で終わらない「仕組み化ビリティ」の高いマネージャーへの変遷と引継ぎの実践

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概要

あなたもこんな場面に遭遇したことはありませんか?

  • あの仕様って、デザイン、ドキュメントと実装のどれが正しいんだろう?
  • この組織内で、マネージャーへは何が期待されているんだろう?
  • このポジションの採用基準って、何を元に判断しているんだろう?

新しい役割やタスクを担うたびに言語化されていない業務プロセスを解き明かしてきた方ほど、これに直面してきたのではないでしょうか。
「引継ぎ」は重要な業務だと認識されながらも、後回しにされ、結果として知識やノウハウが属人化し続けています。
なぜ、引継ぎはこれほどまでに難しいのでしょうか?

本セッションでは、この問題を何事も抽象的な期待で上手く(よしなに)やれる個人の能力である「よしなりてぃ」と、その業務を後任者や他組織が再現可能な状態にする組織的な能力である「仕組み化ビリティ」という2つの能力の観点から解き明かします。

アウトライン

  1. はじめに:なぜ今、EMが「引継ぎ」に向き合うべきなのか?
    • 「よしなりてぃ」の罠:抽象的な期待に応える優秀な人ほど属人化のハブになる
    • 「仕組み化ビリティ」の欠如:引継ぎの失敗が組織に与える深刻なダメージ(成長機会の損失、モチベーション低下)
  2. 実例に見る「4つの見えない壁」
    • 壁1:時間の枯渇(役割の巨大な泥団子化)
    • 壁2:手法の不在 - "とりあえず"で始められない心理的ハードル
    • 壁3:地位の確保 - 「引継ぎしない方が得」になるインセンティブ
    • 壁4:評価の逆転 - 「引継ぎしない人」が評価される文化
  3. まとめ:「よしなりてぃ」から「仕組み化ビリティ」へ
    • 個人の意識改革だけでは解決しない根本理由
    • この「壁」を認識した上で、EMが次に取り組めること

Learning Outcome

  • 引継ぎがうまくいかない根本原因を、具体的な事例から理解できる。
  • 「よしなりてぃ」依存の危険性と、属人化のメカニズムを分析する実践的な視点を得られる。
  • 引継ぎをしないことが合理的になり得る組織構造の危険性を、自組織に当てはめて認識できる。
  • 「仕組み化ビリティ」を高めるためにマネージャーが取り組むべきヒントを、実践知から得られる。