ASANO Masaki
mackey0225
耐量子計算機暗号 (PQC)、暗号技術、セキュリティ、NIST標準化 (FIPS 203, 204, 205)
耐量子計算機暗号(Post-Quantum Cryptography: PQC)は、将来登場が予測される高性能な量子コンピュータによる解読の脅威に耐え得る、新しい暗号技術の総称です。
PQCの基盤となる数学的問題は一つではなく、様々なアプローチが研究・開発されています。
特に大きな動きとして、2024年8月、NIST(米国国立標準技術研究所)は2016年から進めてきたPQC標準化プロジェクトの成果として、FIPS 203、204、205という3つの標準を正式に発表しました。
これにより、PQCは研究段階から「実装段階」へと大きくシフトし始めています。
本トークでは、まず「なぜ今PQCが必要なのか?」という背景や、NISTによる標準化の最新動向といった概要を解説します。
その上で、標準化されたPQCがどのような仕組みで安全性を担保しているのか、代表的な方式(例:格子ベース暗号など)の技術的な仕組みを分かりやすく紐解きます。
最後に、私たちエンジニアが最も関心のある、主要なプログラミング言語(Java, Go, Rust など)におけるPQCライブラリのサポート状況を紹介します。