SQLに回帰せよ ― スキーマとツールの寿命から考えるDBマイグレーションの再設計 by MakKi

BuriKaigi 2026
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SQLに回帰せよ ― スキーマとツールの寿命から考えるDBマイグレーションの再設計

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テーマ

ORMやフレームワークに依存しない、SQL主導のDBマイグレーション。
スキーマを長期的に管理するための合理的アプローチを、ツールと思想の両面から考察します。

想定する参加者層(前提知識)

  • Webサービス等のDB設計や運用に関わるエンジニア
  • ORMやフレームワークのマイグレーション機能を使った経験がある方

トーク概要

ある程度経験を積んだエンジニアなら誰しも一度は「これはSQLで書いたほうが早い」と感じたことがあるでしょう。
ORMやDSLによるDB操作は安全面など様々なメリットがある一方で、RDBMSの機能や性能を限界まで引き出すことはできません。
DBのマイグレーションに関しても同様に、SQLで書きたい、あるいは書かざるを得ない場面が稀によくあります。

データの寿命がサービスのそれよりはるかに長いことはよく知られています。ではスキーマの寿命はどうでしょう。
スキーマはDBと共に生きるものであり、フレームワークやライブラリ、ツールといった周辺技術よりもずっと長命なのです。
寿命の短いものでスキーマを管理するより、DBと寿命をともにするSQLを用いるのが合理的ではないでしょうか。

一方で、SQLだけでDBマイグレーションを運用するには多くの課題があります。
本セッションでは、SQLだけで安全かつ確実にDBマイグレーションを行うために必要な要素を整理し、それを支えるためのツール「migy」とそのコンセプトを紹介します。
SQLをマイグレーションの中心に据えてRDBMSの力を最大限に活かしつつ、長期的な信頼性を実現するためのアプローチを提案します。

ゴール

  • 熟練エンジニアがSQLに立ち返る理由を、技術要素の寿命構造から理解する
  • スキーマ・データ・アプリ・ツールのライフサイクル関係を整理し、SQLで管理する合理性を掴む
  • SQLによるマイグレーションの課題とその克服方法を通じて、ORMやFWに依存しない持続的なデータ管理の視点を得る