F#は.NETプラットフォーム上で実装された実用的な関数型言語です。本セッションでは、F#の言語設計における特徴的な選択と制約について解説します。
まず、非純粋関数型言語としてのF#の特徴を説明します。副作用の扱い方、関数型の機構とオブジェクト指向プログラミングの共存、そして実用性を重視した設計判断について概観します。
次に、F#独自の機能であるコンピュテーション式と非同期処理を取り上げます。HaskellのMonadやScalaのfor式との比較を交えながら、DSLとしての表現力や、非同期プログラミングモデルの特徴を示します。
最後に、.NETプラットフォームがF#の型システムに与える影響と制約について説明します。メソッドオーバーロードと型推論の相互作用、高カインド型の欠如、そしてそれらの制約に対する解決策としてのSRTPなど、実践的な観点から解説します。