EMConf JP 2025 に参加してきた。
初開催のカンファレンスで、どんな感じなんだろうなーと思いながら参加したけど、EMではなくエンジニアである自分の視点でもめっちゃ楽しめた。
EM のカンファレンスなので、当然 EM の人向けの内容で、来ている人の7割ぐらいは EM ロールの方だったのかな?
EMConf JP 2025 #emconf_jp カケハシのブースにお越しいただいた皆さん、ありがとうございました!
— カケハシ技術広報 (@kakehashi_dev) 2025年2月27日
「あなたの伸びしろはどこですか?」のアンケート結果はこちらとなりました。皆さんそれぞれの伸びしろについて深く話すきっかけとなり、大変有意義な時間となりました。 pic.twitter.com/9askSAZJvs
EM はスーパーマンじゃない
EM ってエンジニアのマネジメントではなく、エンジニアリングのマネジメントをすることを指すよねと。つまり、マネジメントの対象は人に限らず、エンジニアリングという行為そのものという話。
オープニングキーノートの広木さんの話では、エンジニアリングの4つのPとして以下が挙げられていた。
- ピープルマネジメント
- プラットフォームマネジメント
- プロジェクトマネジメント
- プロダクトマネジメント
で、これ全部できないといけないのかというとそんなことない。
マネジメントの元の意味は「なんとかすること」なので、「価値を実現する」ために「なんとかする」ことができれば良い。 自分でできなければ、それができる人なりモノなりを調達すればいい。
クロージングキーノートの岩瀬さんの話でも
How はチームに任せて、自分は周りのブロッカーを外し続ける
と言っていた。
自分でなんでもできる必要性はないものの、ものの見方がプレーヤーとは全然異なる気がするのでそこらへんの視座の上げ方がむずそうだなあと思った。 今まで制約だったものが変数になるはずなので、より言い訳が効かなくなるというか。だからこそ面白いのかもしれない。
また、「できる」必要はないけど「わかる」必要はある、という話もあって、4つのPのどこかだけに強い興味がある、という状態だと限られた状況下での EM としてしか機能しなくなるんだろう。
それって結局何でも屋じゃないか!!笑というツッコミを入れつつ、 自分は割とジェネラリストタイプであれもこれも知ってみたくなるタイプなのでそこはあんまり懸念がないんだけど、一方で「わかる」の基準ってなんなんだろうって思った。色々やってるとどうしても広く浅くになりがちなので、どこまでわかってればそれを「なんとかできる」状態になっていると言えるのか、みたいな。うーん難しい。未知のことはわからないので、そういうものが出てきた時に「わかろうとする姿勢」のほうが大事なのかも。
エンジニアリングと経営を繋ぐ
エンジニアリングの意思決定を経営とどう繋ぐかというのは、EM の重要な役割の1つだと感じた。
EMとして技術戦略の決定をいかに経営という視点とアラインを取っていくかという話は開発生産性カンファレンスなんかでもよく取り上げられており、世の中のいろんな会社で悩んでいることなのかなと思う。
結局その決定って儲かる(PLにポジティブ)んですか?とか技術的負債の解消って事業的に意味があるんですか?というのは技術的意思決定の永遠の課題だと思う。
日々、テックリードとして意思決定する際もチラチラと頭をよぎることがあるけど、EM になるとよりそういう部分と密に絡んだ判断が増えていくのかなと思う。 そうした部分をどう要素分解して言語化してやっていくか、という話が聞けて参考になった。
プレイングマネージャーの葛藤と可能性
プレイングマネージャーについて話すセッションもいくつかあった。
多くのエンジニアにとって、マネージャーになることでエンジニアリングから遠ざかることへの不安は大きい。そもそもモノづくりがしたくてエンジニアになった人が多いため、人のマネジメントに専念することへの抵抗感は自然なものだろう。自分もその一人だ。
しかし、エンジニアリングとマネジメントを両立させるプレイングマネージャーという選択肢も確かに存在する。
プレイングマネージャーの難しさは、エンジニアリングとマネジメントという異なる性質の業務をバランスよく行うことにあると思うが、その両方の視点を持つことで、技術的な意思決定とビジネス的な判断をより適切に結びつけられる可能性もある。
また、完全なマネージャーへの移行を望まないエンジニアにとって、プレイングマネージャーは魅力的なキャリアパスの一つとなりうる。 ただし、両方の責務が中途半端にならずに両立させていかないと意味がないので、うまく頭をスイッチングさせながらやっていかないといけないのがすごい大変そうだ。
プレイングマネージャーという役割の難しさと同時に、その可能性についても考えさせられた。
増幅と触媒
今回のカンファレンスのテーマが「増幅」と「触媒」だった。
前日譚では「循環」というワードも出てきており、このカンファレンスを起点に知識や熱がコミュニティを通して増幅していくことを狙ったとのこと。
弊社ギフティも「キモチが循環する社会」というのをタグラインとして掲げていたりして、循環というところには個人的にそれなりに思い入れがあり、いいテーマだなあと感じた次第。 薄い内容かもしれないけどこの感想も増幅の一助になればなと思う。
まとめ
様々なセッションやブースでの話を通して、EM というものの役割として、明確に定義されたものはなくて、各社の EM の定義自体が割と色々だなと改めて思った。なので、自分の組織における EM だったり、それが対象としている問題領域だったりを改めて確認するというか、考えてみようかなという良いきっかけになった。一口に EM と言っても今の組織に必要なケイパビリティを備えるために EM を定義する必要がある。
ただ、どの EM も結局レバレッジの効くことをやっている、というところは変わらない気はする。個人のアウトプットではなく、自分の働きかける周囲全体のアウトプットを上げていく活動をするというのが大事。あとはその力点をその時々でどこに置くか、なのかな。
自分はまだエンジニアとして現場の急先鋒的な動き方をしたいなと思っているけど、それはそうとマネジメントについて考えさせられる良いイベントだったなあと思う。